本記事は「リーダーとは?7つのタイプ」を比較表→選び方3ステップ→14問の無料セルフ診断→使えるテンプレ&NG例の順で解説。読み終えたら最初の一手まで決まります。
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Rikuのひとこと:前職の上司は先頭型。朝会で秒で指示が飛ぶタイプ。最初は息切れしたけど、毎日15時に完了/課題/支援依頼
ミニレポを自分から出す運用に変えたら、逆に自由度が上がって楽になりました。合う関わり方さえ見つかれば世界はやさしくなる…かもしれない。
リーダーとは?意味と前提(リーダーシップの基本)
ここで言う「タイプ」は、難しい理論分類よりも日々の発言・行動・意思決定の“癖”で見分けます。人は混合型だし、状況でも変わるので、比較で傾向を掴み、場面で使い分けるくらいがちょうどいい、という立ち位置です。
筆者のスタンス:やまもと りく(Riku)は現場の部下目線で上司の動きを観察してメモしてきた人。偉そうに断言はしません。「いっしょに考える」スタンスで、必要に応じて各自の現場に合わせてアレンジしてください。
リーダータイプの選び方3ステップ【最短で決める】
- 見極める:直近の会議/Slack/1on1の発言・動きから近いタイプを仮決め。
- 重ねる:チームの不満とそのタイプの弱みを照合。ズレが大きい所に対策。
- 試す:1〜2個だけ行動を変える(例:進捗の可視化、比較表の用意、A/B提案)。1週間で手触りを確認。
ケース例:属人化で詰まり気味な開発チーム
- 状況:カリスマ的な集中型の上司。不在で意思決定が止まりがち。
- ズレ:不満=「上司待ちが多い」。弱み=「不在時に弱い」。
- 打ち手:代理意思決定ルールの明文化/決定ログの習慣化/週次「仕組み化メモ」棚卸し。
- 評価:「待ち時間」「決定までのリードタイム」を週次で可視化。
ポイントは“正解探し”より“検証サイクル”。噛み合わなければ別タイプの手を借りればOKです。
7つのリーダータイプ比較表(特徴・強み・弱み・関わり方)
※ スマホは表を左右にスワイプできます
タイプ | 一言で | 強み | 弱み | 効果的な関わり方(部下) | 実装ヒント(本人) |
---|---|---|---|---|---|
①先頭型 | 率先垂範+明確指示 | 方向ブレない/士気UP | 依存・指示待ち化 | 即レス/進捗可視化/先読み提案 | 週1手放しチェック/判断基準の文書化 |
②集合型 | 任せて見守る | 自主性/心理的安全 | 方針曖昧→停滞 | 自発提案/締切提示/軽い合意取り | 最小ガードレール(締切・優先)明示 |
③集中型 | 存在感で引っ張る | 信頼・結束 | 不在に弱い | 信義重視/報連相の質UP | 代理意思決定ルール/成功の型メモ化 |
④調整型 | 利害と関係を整える | 衝突回避/協力体制 | 決断が遅い | 比較表持参/締切を共創 | 「決める日」先置き/No基準の明文化 |
⑤分散型 | 権限委譲で回す | 多様性/俊敏性 | 一体感欠如 | 決定ログ/依存関係の図解 | 隔週の地図合わせ/全体KPI一本化 |
⑥分析型 | データで決める | 判断精度 | 冷たい印象 | 根拠+定性セットで報告 | 前提共有テンプレ/感情1スライド |
⑦ビジョン型 | 未来像で動かす | 長期方向/鼓舞 | 実務が疎か | ビジョン→実行の橋渡し | 週次デモ習慣/ロードマップ粒度調整 |
詳細は各リンク先へどうぞ。診断はこちら(無料セルフ診断)。
タイプ別ガイド:特徴・心理・関わり方(実装チェック付き)
① 先頭型リーダーの特徴と関わり方(Lead-from-front)
特徴:自分が先陣を切って明確に指示。スピード感重視で熱量がチームの燃料。
- 発言例:「A→B→Cでいきます。Aは私、Bは◯◯さん、Cは午後にレビュー」
- 行動:会議で即タスク分解/期限・担当・成果物の言語化
- 1on1:抽象よりアクション。「来週までに2案出そう」
- トラブル:最速で現場へ。泥臭い対応も厭わない
内面:「動けば結果は出る。まず私が走れば流れができる」。
つまずき:過保護化→部下の依存/指示待ち文化。
本人の実装チェック(先頭型)
- 週1で「自分がやらなくていい仕事」を3つ委譲したか
- 優先順位ルール(顧客影響>緊急度>工数)を文書化したか
- 「次に必要な資料テンプレ」を共有フォルダに常備したか
- 口頭指示→メモ化したか
部下の関わり方ヒント
- 先回り:「必要になりそうなドラフト置きました」
- 進捗の可視化:毎日15時のミニレポ(完了・課題・支援依頼)
- テンプレ:「A/B案でいきます。優先はどちらが良いですか?」
② 集合型リーダーの特徴と関わり方(Collective)
特徴:前に出ない。任せて見守る。穏やかで心理的安全性が高い。
- 発言例:「進め方はみんなのやりやすい形で。節目だけ合わせよう」
- 行動:会議は傾聴中心→最後に軽い合意
- 1on1:近況→困りごと→支援の順で対話
内面:「人は任せると伸びる」。
つまずき:指針が薄いと停滞→「頼りない」印象の悪循環。
本人の実装チェック(集合型)
- 最小ガードレール(締切・優先度・意思決定者)を冒頭に明示したか
- 「Aで走って、ダメなら木曜に切替」など軽量合意を習慣化したか
- チームカレンダーに“進捗15分共有”を定期登録したか
部下の関わり方ヒント
- 枠を自発提案:「この進め方で行きます。水曜15分共有どうですか?」
- 軽い意思決定を促す:「Aで走ってダメならC案に切替でOK?」
③ 集中型リーダーの特徴と関わり方(Charismatic)
特徴:圧をかけずに存在感。背中で語って人がついてくる。
- 発言例:「困ったら私に振って。責任は持つ」
- 行動:要所で短く核心を射抜くコメント/関係者に直接電話して道を作る
内面:「信頼が資本」。言葉より行動の一貫性。
つまずき:属人化。不在時に意思決定が止まる。
本人の実装チェック(集中型)
- 「成功の型(連絡網/合意ステップ)」を短冊メモ化したか
- 代理意思決定の優先順位・委任基準を共有したか
- 約束管理ボードで未完了を週1で0にしたか
部下の関わり方ヒント
- 信義第一:期限厳守。守れないときは早めに正直に
- 仕組み化で再現性:手順・連絡経路・判断基準をメモ化
④ 調整型リーダーの特徴と関わり方(Mediator)
特徴:利害と関係をていねいに整え、衝突を小さく目的地に着地させる。
- 発言例:「Aの事情もBの事情も分かる。今日はB優先でリスクを潰そう」
- 行動:反対意見を翻訳して橋渡し/根回し→合意形成
内面:「みんなが納得できる形が持続的」。
つまずき:決め切れない印象(実はリスク管理に時間投資)。
本人の実装チェック(調整型)
- 先に「決める日」をカレンダーで確保したか
- No基準(コスト>価値の閾値)を明示したか
- 比較表テンプレ(コスト/リードタイム/リスク)を用意したか
部下の関わり方ヒント
- 選択肢を持参:A/B/Cの比較表
- 締切を共創:「◯日までに合意→◯日開始」を一緒に決める
⑤ 分散型リーダーの特徴と関わり方(Distributed)
特徴:“部分リーダー”を立て、意思決定を任せる。速いが全体像が散らばりやすい。
- 発言例:「この件は◯◯さんがオーナー。判断は一任」
- 行動:進捗と依存関係の確認だけ/詳細は任せる
内面:「現場が一番速い」。集中と選択。
つまずき:一体感が薄く、情報非対称が発生。
本人の実装チェック(分散型)
- 2週に一度30分、地図合わせ(依存関係の同期)を実施したか
- 全案件を束ねるKPIを一本化したか
- 決定・理由・影響範囲を1スレ1メモでログ化したか
部下の関わり方ヒント
- ログ文化:決定・変更・影響を残す
- 依存関係の図解で全体像を共有
⑥ 分析型リーダーの特徴と関わり方(Analytical)
特徴:データ・事実・再現性。感情よりロジックで意思決定。
- 発言例:「直近7日間のCVR低下、仮説を3つ。検証計画も」
- 行動:議論を構造化(前提→仮説→検証→Next)
内面:「正しい意思決定は再現可能」。
つまずき:「冷たい」印象(実はフェアであろうとしている)。
本人の実装チェック(分析型)
- 会議冒頭で「前提・目的・成功条件」を共有したか
- メンバーの痛点・不安を1スライドで可視化したか
- 意思決定ログ(使ったデータの場所)を固定化したか
部下の関わり方ヒント
- 構造化して話す:「課題→仮説→検証→判断」
- 数値+現場の声のセット提出
- A/Bテスト計画を先に出す
⑦ ビジョン型リーダーの特徴と関わり方(Visionary)
特徴:明確な未来像で鼓舞。夢で束ねるが、実務は人に任せがち。
- 発言例:「この機能で世界がこう変わる。まず小さく形に」
- 行動:理想像→優先順位→リソース配分を大づかみに示す
内面:「人はワクワクで動く」。
つまずき:夢で終わるリスク。細部に弱い自覚あり。
本人の実装チェック(ビジョン型)
- 週次デモ(今あるもの→FB→次の一手)を習慣化したか
- 四半期ロードマップ→月次→週次の粒度に落としたか
- 予算・人員・期日など制約を先に明示したか
部下の関わり方ヒント
- 橋渡し:ビジョン→ロードマップ→週次計画へ落とし込む
- 短サイクルで成果見せ(デモ・原型)
タイプ横断の活用術(混在チーム/フェーズ別)
混在チームの動かし方
- 役割の棲み分け:ビジョン型=方向、分析型=判断精度、先頭型=実装推進、調整型=関係整備、分散型=スケール、集合型=安全、集中型=信頼軸。
- 会議設計:前半は分析型が前提と仮説→中盤は調整型が翻訳→終盤に先頭型がアクションを切る。
- ドキュメント:分散型に合わせて「決定ログ」を必須化。集中型の属人化を防ぐ。
プロジェクトのフェーズ別ベストマッチ
フェーズ | 合うタイプ | 理由 |
---|---|---|
0. 構想 | ビジョン型+分析型 | 未来像で方向付け、前提と仮説で現実に落とす |
1. 立ち上げ | 先頭型+調整型 | 推進力と利害調整を同時に回す |
2. 拡大 | 分散型+集中型 | 権限委譲でスケール、信頼軸で一体感 |
3. 安定化 | 分析型+集合型 | 再現性と心理的安全を両立 |
4. 転換期 | ビジョン型+調整型 | 理想を示しつつ軋みを吸収 |
職場でタイプを見極めるサイン(シーン別)
朝会
- 秒で指示+締切=先頭型
- 「任せる。節目で合わせよう」=集合型
- 核心一言だけで場が締まる=集中型
会議
- 背景と意図の翻訳役=調整型
- 責任者と期限を即明示=分散型
- 前提→仮説→検証の流れを作る=分析型
- 理想像から逆算の話が多い=ビジョン型
トラブル時
- 現場へ最速ダッシュ=先頭型
- 関係者個別に根回し=調整型
- ルート開通のために直接交渉=集中型
無料セルフ診断(14問)|タイプ相性スコアの出し方
直感で ○(2点)/△(1点)/×(0点) をつけてください。各タイプは合計4点が満点です。
- 4点=相性◎(すごく合う)
- 2〜3点=状況次第(工夫すればやっていける)
- 0〜1点=相性△(関わり方の調整が必須)
質問リスト(タイプ別)
① 先頭型
- 即断即決が心地よい
- 締切が明確だと集中できる
② 集合型
- 自由に任された方が燃える
- 「困ったら言って」が嬉しい
③ 集中型
- 「この人のために頑張りたい」と思う
- 短い一言で方向が分かる人が好き
④ 調整型
- 橋渡し役にやりがいを感じる
- 賛否の間を整えるのが得意
⑤ 分散型
- 役割と責任がハッキリしていると安心
- 全体KPIで束ねるのが得意
⑥ 分析型
- データと検証の会話が好き
- 前提を合わせるのが習慣
⑦ ビジョン型
- 未来の話でワクワクできる
- ビジョン→ロードマップの橋渡しが得意
📊 結果の読み方
- 各タイプの点数=そのタイプと相性が良い度合い
- 複数タイプで高得点 → 守備範囲が広いということ
- 低得点のタイプ → 「弱みを補う」関わり方を意識すると安定
📝 読み方の例
先頭型=4点/集合型=1点
スピード感は合うが、任されすぎると不安になりがち。対策:自分から「締切と優先度」を先に示す。
分散型=3点/集中型=4点
信頼感はあるが一体感が欠けやすい。対策:決定ログで属人性を減らす。
分析型=2点/ビジョン型=4点
夢には乗れるが現実感が不足しがち。対策:週次デモ+仮説検証シートでバランスを取る。
刺さるテンプレ&NG例(Slack/1on1/資料)
Slack:タイプ別に刺さる一言(良い例→NG例)
- 先頭型: ✅「15時に
完了/課題/支援依頼
のミニレポ上げます。先に欲しい観点ありますか?」/❌「どうしましょう?」 - 集合型: ✅「この進め方で責任持って進行します。水曜15分で節目共有いかがですか?」/❌「指示ください」
- 集中型: ✅「再現できる手順に落としました。5分だけレビューお願いします」/❌「全部見てもらえます?」
- 調整型: ✅「A/B比較表を作りました。◯日合意→◯日開始でどうでしょう」/❌「どっちでも」
- 分散型: ✅「依存関係の図解と決定ログをまとめました。各オーナー承認お願いします」/❌「情報は各自キャッチアップで」
- 分析型: ✅「前提・仮説・検証計画を1枚に。不足データあれば指示ください」/❌「なんとなくAが良さそう」
- ビジョン型: ✅「最短の一手を3つ用意。どれで今週デモ作りますか?」/❌「そのうち形にします」
1on1:聞くと効く質問
- 最近の意思決定で「うまくいった/いかなかった」理由は?
- あなたが安心できる報告の粒度と頻度は?
- 今期の「やらないこと」トップ3は?
資料:万能1ページ構成
- 目的・前提・成功条件
- 現状(量的/質的)と課題
- 仮説→検証計画→リスク
- 提案(A/B/C)と意思決定ポイント
- 次の一手・担当・期限
参考リンク(理論・概念の外部リソース)
- サーバント・リーダーシップ(Greenleaf Center公式): Greenleaf Center / What is Servant Leadership?
- 変革型/カリスマ型などの解説: Encyclopaedia Britannica:Charismatic authority
- 放任型(Laissez-faire)の定義: Britannica:laissez-faire
- 分散型リーダーシップ(Spillane研究): Northwestern Distributed Leadership Study / 論文PDF
- ホラクラシー(公式): Holacracy / How it works
- エビデンス・ベースド・マネジメント(CEBMa): Center for Evidence‑Based Management
- 合理的意思決定モデルの背景: Britannica:Decision making
※ 本記事は各概念の「入門的な橋渡し」を目的にしています。詳細は一次情報・公式解説をご確認ください。
まとめ|明日から使えるチートシート
- 迷ったら:見極める→重ねる→試す(1週間検証)
- 属人化しがち:集中型の強みを活かしつつ、分散型のログで再現性を確保
- 停滞しがち:集合型の安全性は残しつつ、先頭型の締切で前に進める
- 衝突が多い:調整型の翻訳とNo基準、分析型の前提合わせで摩擦低減
- 夢で終わる:ビジョン型の方向性+先頭型の実装力+週次デモ
詳しくは各タイプの個別記事へ:
関連記事(保存版)
- タイプ診断ツール(拡張版)(執筆中)
- 比較マトリクス完全版(テンプレ配布)(執筆中)
- タイプ別プレイブック(実務Tips)(執筆中)
おすすめリソース(学び・キャリア・ツール)
リーダーシップをもっと学びたい方・キャリアを伸ばしたい方に向けて、役立つサービスをまとめました。
📚 学びたい方に
よくある質問(FAQ)
Q. 人は一つのタイプだけに当てはまりますか?
A. 混合が普通です。状況やフェーズで変わるので、「今この局面は何タイプの動きが効くか?」で考えるのが実用的です。
Q. タイプが合わない上司とどう付き合えばいい?
A. 相手の「安心材料」を満たすのが近道。先頭型なら即レスと進捗可視化、分析型なら根拠と検証計画、ビジョン型ならデモと次の一手…など。
Q. 上司が日によってタイプを変えて混乱します…
A. 「場面ごとの期待値」を先に握るのが有効。朝会=決める場/週次=進捗の見える化/1on1=障害除去のように、場に役割を与えるとブレが小さくなります。
Q. 集合型の下で動けなくなります。自主性が苦手…
A. 「最小ガードレール」を自分から提案(締切・優先度・意思決定者・15分共有の定期化)。これだけで安心感が増し、動きやすくなります。
Q. 診断の目安スコアは?
A. 各タイプ4点満点のうち、4点=相性◎、2〜3点=状況次第、0〜1点=調整必須。読み方の具体例は診断セクションで解説しています。
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